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超重要器官としての鼻の役割・・・鼻の再発見

こんばんは。

院長です。

 

つい10日ぐらい前まで、

お昼など暑くて半袖でいたりしたのですが、

ここにきて急に冷え込んで、

特に3日ほど前から冷え込みがきつく、

急に年末ムードが漂ってきたような気がします。

 

このように寒くなってくると、

風邪をひいている人が急に多くなってきて、

咳をしたり、鼻水が出たりする人が増えてきました。

 

鼻水が多く出てくると、いくらかんでもどんどん出てきたりして、

本当にやっかいなものですが、

みなさんは鼻水がどうして出てくるのか、考えたことがありますか?

また、鼻そのものの役割について考えたことがありますか?

 

みなさんは毎日鏡を見る時、自分の鼻も見ておられると思います。

そして、顔の美醜を語る時、目や鼻の存在って大きいですよね。

鼻がもっと高かったらとか、鼻筋がもっと通っていたらとか・・・

しかし、顔の形にとってそれほど大きな存在感を持つ鼻の、

本来の存在意義である、鼻の役割について、知っている人、

考えたことがある人がどれほどいらっしゃるでしょうか?

 

・・・などと偉そうに書いてしまいましたが、

僕自身、医師になってからも、外科医であった頃は、

「鼻なんて、体に空気を取り入れる以上の役割なんてしてないから、

なければ困るけど、大した器官じゃないよね!w」

というぐらいの認識しか持っていませんでした・・・orz

僕に限らず、多くの医師がその程度の認識しか持っていないと思いますし、

肝腎の耳鼻咽喉科医でも、きちんと鼻の重要性を認識している人は、

ほとんどいないのではないかと思います。

まして一般の方々がそんなに鼻を重要な器官だと認識してなくても、

仕方ないと思います。

 

今回は、僕が耳鼻咽喉科医になって鼻の疾患を扱うようになって、

長年経つうちにだんだんと認識してきた鼻の重要な役割について、

書こうと思います。

 

僕は鼻の役割というのは、大きく分けて4つあると思います。

「4つもあるって、1つはすぐ思いつくが、あとの3つはなんだろう?」

と思われた方も多いでしょうねw

 

最も重要な役割は、もちろん空気を体に取り入れる出入口としての役割です。

酸素を多く含んだ空気を体に取り入れて、二酸化炭素を多く含んだ空気を

排出する出入り口としての役割ですね。

 

2つ目はなんだと思いますか?

これからますます寒くなってくると、

暖かい部屋を出て、寒い外を歩いていると、

すぐに鼻水が出てくることも多いと思います。

なぜ鼻水が出てくるのでしょう?

そんなに急に風邪でもひいたのでしょうか?w

実はこの現象は、鼻と肺との関係で説明するべきことなのです。

 

ここでまず、肺の構造について考えてみましょう。

みなさんは肺という器官が袋のような構造であることは

知っておられると思います。

しかし、ただの2つの大きな袋ではないのです。

気管から取り入れられた空気は気管支で2つに分かれ、

ここから左右の肺に入っていきます。

左肺は上葉と下葉という2つの部分(肺葉)に分かれますが、

右肺は上葉、中葉、下葉という3つの部分に分かれます。

気管支はここで分かれて肺葉気管支となり、肺の奥に行くに従って、

さらに分節支、小葉気管支梢に分かれていき、

だんだんと小さく、無数に枝分かれして行きます。

この無数に枝分かれした小葉気管支梢が、

さらに枝分かれして呼吸気管支梢となり、

その先に無数の肺胞嚢という袋がついており、

肺胞嚢はまた内部で、これまた無数の「肺胞」という袋に分かれます。

肺胞ひとつの大きさはわずか10分の1mm程であり、

取り入れられた空気はここでやっとガス交換が行われます。

つまり肺とは、大きな2つの袋ではなく、

左右合わせて7,8億という本当に無数の、

小さな小さな薄い袋(肺胞)の集まりなのです。

想像してみて下さい。

7,8億もの小さな小さな袋が集まって、2つの大きな袋を作っていて、

しかもそれらの小さな袋はただの袋ではなく、

すべての袋の中腔が最終的には鼻とつながっていて、

呼吸をするたびに7,8億もの袋が一斉に膨らんだりしぼんだりするのです。

もの凄くダイナミックな構造、ダイナミックな動きだと思いませんか!

 

このように小さな小さな、しかもとても薄くて非常に弱い袋が、

周囲の袋とも重なり合いながら、

呼吸のたびにダイナミックに膨れたりしぼんだりを繰り返す。

ここに外からの空気が出入りするのですが、

例えば、冬の冷たくて乾燥した外気が、この小さくて薄くて非常に弱い袋に

そのまま入ってきたらどうなるでしょうか?

袋と言っても、生体の一部ですから、乾燥や低温で障害を受けて傷んだり、

炎症を起こしたり、ひどい場合は破れてしまうかもしれません。

また袋同士がくっ付いてしまったり、うまく開かなかったりするでしょう。

 

どうですか?

ここまで来ると、冬の寒い日に外を歩いていると、

すぐに鼻水が出てくる訳が分かったと思います。

そうです。

鼻の超重要な役割は、肺を守ることなのです。

鼻は、冷たくて乾燥した外気に適度の湿度と温度を与えて、

常に肺に入る空気のコンディションを調整する事により、

肺を守り、呼吸をしやすくしているのです。

 

3つ目の大きな役割は、病原体からの体の防御です。

みなさんは風邪をひくとよく、鼻水が出てくると思います。

鼻は外気の体への入り口ですから、

外の空気中の細菌、ウイルスは多くはまず鼻を通って、

体内に侵入します。

鼻粘膜中の免疫機構は常に病原体を見張っており、

体内に侵入しようとする病原体を排除しようとします。

そこでまず、鼻水を出して、病原体を体外に洗い流そうとするのです。

とめどなく鼻水が出たり、くしゃみをするのは、

病原体を追い出そうとしているのですね。

 

4つ目の役割は、脳と関係があります。

脳は背骨の中を通っている、脊髄からそのまま上に繋がって、

延髄、橋(きょう)、中脳となっていきます。

この3つを合わせて脳幹と呼び、呼吸や循環などの、

生命維持に必要な根幹部分を受け持っています。

脳の中でも非常に原始的な部分なので、爬虫類脳とも呼ばれます。

この脳幹の後頭部側に小脳があり、その上に大脳があります。

大脳は後ろから、後頭葉、頭頂葉、側頭葉、前頭葉と分かれ、

脳は今述べた順番に進化してきたものと考えられており、

特に、私たちが普段ものを考えているのは、

最も高等な部分と考えられている、前頭葉の部分です。

つまり、おでこのすぐ後ろの部分ですね。

 

この部分は脳の中でも、考えるという最も高等な役割を果たしており、

全身血流量の20%を消費すると言われている脳のなかでも、

特に多くの血液を消費して、活発な活動を行っています。

体の中の器官が活発に活動すると、熱を出します。

これは走った後の筋肉が熱くなっているのを見ても理解できますね。

 

先程、脳は、脳幹、小脳、後頭葉、頭頂葉、側頭葉、前頭葉と発達してきた、

と書きましたが、

特に前頭葉の部分は、人間が進化の過程でサルから2足歩行になってから、

急劇に発達した部分であって、それを支える、血流、その他の部分が、

進化に追いついていないように思います。

それをなんとか少しでも補おうと発達してきたのが鼻ではないかと思います。

 

みなさんは風邪などで鼻が詰まった時に頭がボーっとした経験があるでしょう。

また、鼻の悪いお子さんの成績が落ちるなどというのもよくある話です。

ここで、4つ目の鼻の役割が登場するのです。

 

鼻と脳というのは、一見関わりが無いように思えますが、

実は鼻の一番上の部分は篩骨洞(しこつどう)という部分で、

この部分と脳の境界部分はスカスカで、しかもずっと後ろまで、

ほぼ前頭葉の底部全体に広がっています。

鼻から入った空気は、この篩骨洞の部分を通して、

高等な活動で活発に血液を消費し、発熱の多い前頭葉を

冷やすのに役立っていると考えています。

 

また、鼻が詰まった時のあの、頭のボーっとした気分を考えると、

脳の酸素不足も疑われます。

つまり僕は、脳の、特に前頭葉の部分は鼻から直接呼吸をしているのでは

ないかと疑っているのです。

実は僕は医学部3年の時に解剖実習で、鼻と大脳の境の部分を見た時、

あまりのスカスカさにビックリしました。

その時既に常識として、脳は鼻から直接呼吸していない、

という知識は持っていましたが、

そのスカスカさを見た時、「やろうと思えば、直接呼吸出来るよね!」

と思いました。

前述したように、前頭葉の部分の進化はあまりに急激であったために、

血流不足、酸素不足、冷却不足に陥りやすい。

それを少しでも補うべく発達してきたのが鼻だとしたら、

前頭葉部分が鼻から直接呼吸した方が、

進化の仕方としてもむしろ自然だと思います。

 

もちろんこれは、「現在の」医学の常識では否定されています。

しかし、医学の常識なんて、数年あればひっくり返るのです。

例えばガン。

僕が医学生の頃は、ガンは伝染らないというのが常識でした。

これも僕は学生時代から、「本当かよ?」と疑っていたのですが、

現在では、肝がんはC型肝炎ウイルスが引き起こす、

と知られていますし、子宮頸がんや咽頭がんもパピローマウイルスが

引き起こすと知られてきました。

同様に、学生の頃は、胃内は強烈な酸の為、無菌状態と言われていましたが、

これも、オーストラリアの医師が胃壁にヘリコバクターピロリという細菌を

発見してひっくり返しました。

このように「現在の」医学の常識などすぐに引っくり返るものなのです。

恐らく、大脳、特に前頭葉は直接呼吸しているでしょう。

 

いかがですか?

普段何気ない生活の中では、

単に空気の取り込み口ぐらいにしか認識されていない鼻が、

実は、常に「肺を守る」ために不可欠であり、

免疫機構の一部として、「感染予防」に不可欠であり、

私たちの意識そのものとも言える、大脳、特に「前頭葉の維持」に、

重要な役割を果たしているのです。

私たちの体のどの一部分でさえ、重要でない部分などありませんが、

その中でも特に重要な部分が集まっている顔の、

中でもその「中央に鼻があるのは伊達じゃない!」理由が、

お分かり頂けたでしょうか?w

 

そして逆に、これだけ重要な器官である、鼻が不調を起こすことによって、

重篤な感染症につながったり、肺や脳の大きな病気を引き起こすことは、

容易に想像出来るのではないかと思います。

だけど、「たかが鼻」が悪くなるだけで、重い感染症になったり、

肺や脳の病気にまでなるなんて、今まで考えたことがありますか?

これで鼻を好調に保つことが、健康にとっていかに大事なことかが、

分かって頂けたと思います。

僕が日常診療で鼻を治療している時、これだけの背景を念頭に置きながら、

常に注意深く治療を進めているのです。

適当に患者さんを流しているようなクリニックとは、全く別物である事が

分かって頂けると思います。

信頼と安心を持って、治療を受けて頂ければと思っています。

 

 

もうすぐクリスマスです。

今回は、僕からのクリスマスプレゼントとして、

僕が長年考えてきた、鼻の重要な役割について書いてみました。

少しでも役に立った部分、考えた事もなかった、トリビアな部分があれば幸いです。

そして今まで考えた事もなかった角度から、本当に本当に重要な器官として、

あなたの大切なお鼻を再認識して大事にして頂ければ、

僕もとても嬉しいです。

 

 

今年も残すところあと僅か。

季節を慌てて取り戻すように、

どんどん寒くなって行くことと思われます。

風邪やインフルエンザの方も多くなっています。

もうすぐ近づいてくるお正月。

せっかくのお正月が寝正月、なんてことにならないように、

少しでも体調を崩された場合は、早めに来院して頂き、

体調回復のお手伝いをさせて頂ければ、

本当に嬉しく思います。

どうぞ、お気軽にご来院下さい。

全力で、あっという間に治しますから。

 

 

 

大阪市此花区 前谷耳鼻咽喉科・院長  [此花区伝法1−3−17(スーパー・マルナカ西隣)] (当院HP http://www.maetani-clinic.com/) (不許複製 著作権は当院院長にあり、ブログ記事の一部または全部のコピーはすべて禁止致します。) * 2016年から2017年冬 * 00:17 * comments(0) * - ▲page-top

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